腰は回らない?知らないと腰痛の原因に!生活の知恵で体を守ろう
「ゴルフやバッティングの時、コーチに『腰を回せ!』と言われたことはありませんか?」
実はこのアドバイス、解剖学的に見ると少し誤解を招くかもしれません。腰の骨(腰椎)は構造上、回旋(ひねる動き)が得意ではないのです。
無理に腰を回そうとすると、腰痛の原因になる可能性があります。この記事では、腰が回らない理由を解剖学的に解説し、安全で効果的な体の使い方をお伝えします。
腰椎の構造と動きの制限
人間の腰には「腰椎」という骨が5つあります。この腰椎は上下の骨と密接に連結しており、重い上半身を支えるため、動きに制限があるように設計されています。
腰椎の動きの特徴:
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前後の動き(前屈・後屈): 比較的得意な動き。
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側屈(横に倒す): 限定的。
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回旋(ひねり): 腰椎全体でわずか5度程度しか回りません。
この構造により、腰椎が体の回旋動作を支えることは難しく、無理なひねりは腰痛の原因になります。
「腰が回っている」と感じるのは?
実際に回っているのは、胸椎(胸の骨)や股関節です。これらの部位が連動することで、体全体の回旋が可能になります。スポーツや日常生活での動作で「腰を回す」と指示されるのは、胸椎や股関節の動きを引き出す意識が重要です。
胸椎や股関節が動かないと起こる問題
現代の生活では、長時間のデスクワークや姿勢の悪化により、胸椎や股関節が固まりがちです。胸椎が硬くなり、股関節が詰まると、動きが制限され、腰に過剰な負担がかかります。
問題例:
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デスクワークでの猫背姿勢: 胸椎が丸まり、動きが悪くなる。
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座りっぱなしで股関節の硬直: 腰椎に負担が集中。
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無意識の体のひねり: 腰椎が本来の可動域を超えてしまい、炎症が発生。
腰を守るための生活の知恵:胸椎と股関節を使う
腰を無理にひねる動きは避け、胸椎や股関節を積極的に使うことを意識しましょう。
胸椎・股関節を柔らかくするエクササイズ
1. ハイハイエクササイズ(赤ちゃんの動き)
筋肉の発達が未熟な赤ちゃんでもハイハイが速いのは、胸椎と股関節の使い方がしなやかで上手だからです。現代人も原点に戻ってハイハイを取り入れることで、胸椎と股関節の柔軟性を高めることができます。
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方法:
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手と膝を床につけ、四つん這いになります。
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対角線上の手足を動かしながらゆっくりと前進。
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背中をまっすぐ保ち、股関節と胸椎の動きを感じましょう。
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2. 胸椎の回旋ストレッチ
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方法:
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四つん這いの姿勢から、片手を天井に向けて開き、胸をひねります。
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視線は指先を追い、胸椎の回旋を意識。
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左右交互に数回繰り返しましょう。
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3. 股関節ストレッチ(ヒップヒンジ)
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方法:
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膝を軽く曲げ、股関節から前屈。
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背中はまっすぐを保ち、お尻を引きながら体を倒します。
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股関節の動きをしっかり感じてください。
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まとめ:腰痛予防のポイント
「腰は回らない」ことを知るだけでも、腰痛のリスクを大きく減らすことができます。スポーツや日常生活で体をひねる際には、胸椎や股関節を動かす意識を持ちましょう。
腰痛予防のためのちょっとした生活の知恵が、あなたの腰を守り、長く健康で活動的な毎日を支えてくれます。体の仕組みを正しく理解し、腰を労わる習慣を今日から始めてみてください!